ビジネス洋書 Moneyland by Oliver Bullough 世界規模の富と権力の行方

Moneyland: Why Thieves And Crooks Now Rule The World And How To Take It Back

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はじめに

富と権力の利用は世界規模で行われており、ロンドンのジャーナリストが真髄に迫る本になっています。

題名になっているMoneylandはお金に関する世界規模の現実を浮き彫りにし、その影響が膨大であり1つの国家を成すほどだということを象徴しています。

焦点になっているのは政治的に腐敗した国や欧米諸国で、日本は登場しませんが、世界でなにが起こっているかを知るのは興味深いですね。外交政策も外国の話ではなく、もはや私達に関わることになるのです。

パスポートを合法的に購入も

それではポイントをチェックしていきましょう。

マネー・ロンダリングが世界規模になるということは、それぞれの国の法律やシステムを合法的に利用することが起こってきます。不当であるかどうかは、難しい判断です。

例えば、あまり知られていないネイビスというミニ国家。この国は、ほぼ税金と訴訟から逃れるために形成されたといってもいいのです。1983年に英国から独立したのですが、アメリカの弁護士や会計士に利用されています。

ロンドンも優遇措置が取られていることで有名で、会社設立が盛んに行われています。消費税がないアメリカのデラウェア州も同様で、会社設立にとても優遇されています。

個人レベルですと、パスポートの購入も合法的にできるのです。カリブ海周辺の国では国籍を購入できてしまいます。一定の投資をすることにより、早いケースですと数ヶ月でパスポートが取得できます。

日本では知られていませんが、サウジアラビアの大富豪は英国籍の妻と離婚する際、自分の資産を持っていかれないようにするためにセントルシアの国籍を取得しました。さらに外交特権を利用し、英国の法律適用を免れたのです。こうして合法的に莫大な資産を守ったのです。この件に関しては、英国政府はセントルシアに対して国籍の取消を要請しましたがそれも認められなかったそうです。

ちなみに、国籍とパスポートに関して。世界の国々では国籍の与え方が異なります。ひとつが血統主義、もうひとつが出生地主義。日本は血統主義をとっています。国籍法は複雑なので細かい取得方法は書きませんが、両親のどちらかが日本国籍を持っていたらどこで生まれても日本国籍が取得できます。

出生地主義では、出生した国の国籍が与えられます。アメリカやカナダがそうですね。特にアメリカは、アメリカで生まれれば無条件で国籍が与えられます。もし親が不法移民だとしてもアメリカで生まれた子にはアメリカ国籍が与えられるのです。親がアメリカ国籍で子がアメリカ国外で生まれてもアメリカ国籍が子に与えられる場合もあります。

英語のキー・フレーズ

Once ownership of an asset (be that a house, or a jet, or a yacht, or a company) is obscured behind multiple corporate vehicles, hidden in multiple jurisdictions, it is almost impossible to discover.

日本語訳:資産(家、プライベートジェット、ヨット、または会社など)の所有権が複数の法人格、複数の法域の背後に隠されてしまうと、見つけることはほぼ不可能だ。

解説:ownership of an assetは資産の所有権。よく聞くフレーズですね。obscureは隠すとか曖昧にするという意味です。corporate vehiclesですが、もともとvehicleは乗り物という意味が一般的ですが、手段という意味もあります。この本では資産を隠すという文脈なので会社という法人格を利用するという解釈になります。jurisdictionは法律用語では頻繁に出てきますが、管轄域やその司法権が及ぶ管区という意味です。

まとめ

お金の額が膨大になると、それに絡む税金・法律対策もダイナミックになります。とても興味深い事実を知ることができる良書となっています。

目次

1. Aladdin’s Cave

2. Pirates

3. Queen of the Caribbees

4. Sex, Lies, and Offshore Vehicles

5. Mystery on Harley Street

6. Shell Games

7. Cancer

8. Nasty as a Rattlesnake

9. The Man Who Sells Passports

10. ‘Diplomatic Immunity!’

11. Un-write-about-able

12. Dark Matter

13. ‘Nuclear Death is Knocking Your Door’

14. Say Yes to the Money

15. High-end Property

16. Plutos Like to Hang out Together

17. Breaking Switzerland

18. Tax Haven USA

19. Standing up to Moneyland

Moneyland: Why Thieves And Crooks Now Rule The World And How To Take It Back

 

 

 

この記事を書いた人

Ricky Tokunaga

ニューヨーク州弁護士。テレビ出演、ニュースメディア取材など。
東京在住の会社員。在米期間は11年。
モットーは次元上昇ライフスタイルデザインと一流で自由なライフスタイルのあくなき探求。

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