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スタンフォード式最高の睡眠 マンガでぐっすり by 西野精治【書評】

マンガでぐっすり スタンフォード式最高の睡眠

睡眠負債という言う言葉は聞いたことがあるだろうか。

「朝起きられない」「日中眠たい」「寝ても疲れが取れない」

実は科学的根拠に基づく睡眠の質を高める解決策がある。

本書は「マンガで」とタイトルが付いているが、全部がマンガではなく、マンガなのは登場人物がでてくるストーリーの箇所だけで、実際の解説は要点を押さえた文章という構成になっている。

スタンフォード式とは?

スタンフォード式のシリーズはよく見る。睡眠に関しては1963年に世界初の本格的な睡眠研究機関「スタンフォード大学睡眠研究所」が設立された。本書では、世界最高の睡眠研究機関と称されるスタンフォード大学睡眠研究所や睡眠生体リズム研究所で蓄積した科学的根拠を基に分かりやすく解説している。

睡眠負債とは?

スタンフォードの睡眠研究者は、「睡眠不足」ではなく「睡眠負債」と表現している。なぜなら、借金と同じように、睡眠が不足して返済が滞ると脳も体も思うようにならない「眠りの自己破産」を引き起こすからだ。

睡眠負債による健康被害は、

  • 血糖値が高くなり、糖尿病を招く
  • 食べ過ぎを抑制する「レプチン」というホルモンが出ず、食欲が増す「グレリン」というホルモンが出るため、太る
  • 交感神経の緊張状態が続き高血圧になる
  • 精神が不安定になる

そしてなんと、日本人においては、睡眠時間が6時間未満の人は、全体の40%。

また、日本の睡眠時間100カ国中、最下位。

睡眠にしか果たせない5つのミッション

① 脳と体に「休息」を与える

日中は交感神経が優位である。すなわち、脳内では緊張感と集中力が増す。一方、副交感神経が優位になるのは食後や睡眠中など、休息のとき。この切替をするためには睡眠が重要となる。

② 記憶を整理して定着させる

日中の記憶を整理し、定着されるのも睡眠の役割である。睡眠時は記憶のインプットと削除が脳で同時に効率よく行われている。

③ ホルモンバランスを調節する

睡眠を制限すると、食欲を抑制するホルモン「レプチン」が減り、逆に食欲を増すホルモン「グレリン」が増加してします。

レプチンやグレリンの他にも、筋肉や骨を強くして代謝を正常化する「成長ホルモン」や生殖や母性行動に関与するホルモン「プロラクチン」などのホルモンが分泌される。特に成長ホルモンは皮膚の新陳代謝に関わる。

④ 免疫力を上げる

免疫力を上げるのに睡眠は重要な働きをし、病気を遠ざける役割を果たす。

⑤ 脳の老廃物をとる

脳は通常脳脊髄液に浸かっていて、脳脊髄液は一日4回程度新しいものに入れ替わる。ただい、この通常の4回程度の入れ替えだけでは追いつかないため、睡眠によってまとまったメンテナンスが必要となる。

ぐっすり眠れる人とは、眠り始め90分を深く眠れる人

睡眠の質を上げるには、最初のノンレム睡眠である眠り始め90分をいかに深く眠るかにかかってくる。これは黄金の90分。たとえ長く眠ることができても、この90分の質が悪いと残りの質も総くずしてしまうのだ。

もし睡眠時間が多く取れないとしても、この眠り始め90分の質だけは絶対下げてはいけないのだ。

眠り始めの90分が黄金になるメリット

① 寝ているだけで自律神経が整う

入眠して順調に眠りが深まっていくと、交感神経が弱まり、副交感神経が優位になる。その後レム睡眠に入ると、これら2つの自律神経がバランスよく働く。

② 成長ホルモンが分泌される

この90分で、夜間の成長ホルモンの70-80%が分泌される。

③ 脳のコンディションがよくなる

眠り始めを上質にするには?

この黄金の90分を手に入れるためには、大原則として寝る前は何も考えず、頭を働かせないこと。それと、体温をどう調節するか。入浴の仕方が最重要となる。なぜなら、入浴で皮膚温度を上げて熱放散の準備をしつつ深部体温も意図的に上げ、入眠時に必要な深部体温の下降がより大きくなり熟睡につながるからだ。

夜12時に寝たいなら、以下のタイムスケジュールになる。

10PM:入浴。40度のお風呂に15分つかる。体を温める。

10:30PM:入浴終了。熱放散が開始される。

12AM:熱放散後深部体温がもとに戻り、さらに下がり始める。このタイミングでベッドに入った状態でいること。

12:10AM:入眠。通常は10分ほどで入眠するはず。

注意点は、寝る90分前に入浴を済ませられない場合は、お風呂に浸かることは逆効果となってしまう。体温が上昇した状態では脳と体は覚醒してしまうからだ。

脳を睡眠モードにするには

単調な状況に置かれた脳は、おのずと考えることをやめ、ひとりでに退屈して入眠モードになる。そして睡眠前のルーティーンは入眠をスムーズにしてくれる。脳はいつものパターンを好む性質を持っているからだ。

入浴による体温の調整に加えて、睡眠前のルーティーンを守り交感神経を刺激しないいつもどおりの生活リズムも、スムーズな入眠に大切になる。

また、早寝はしてはいけない。これは睡眠の性格上、入眠の時間を前倒しするのは困難とされているからだ。もし明日早く起きなくてはいけない場合、いつもどおりの時刻に寝て、睡眠時間を1時間削るほうがスムーズに入眠でき、睡眠の質も確保できる。

どう起きているか=どう眠れるか

睡眠と覚醒は表裏一体で、常に一対のものである。よく起きている=よく眠るということだ。

スタンフォード式のぐっすり眠るための11の覚醒戦略

詳しくは著書を読むべきだが、僕に最も効くであろう戦略は、夕方以降は眠りを意識していかに脳を興奮させないようにするか。そのためには大事なことは午前中にする。午後からは坂道を緩やかに下るように緊張を緩めていく。そして夕食は抜かない。もしダイエットなどで夕食を我慢すると、オレキシンという覚醒物質が分泌されてしまうからだ。

 

以上、すぐに活用できるテクニックが詰まった一冊となっている。睡眠負債を避けるために、毎日実践していこうと思う。

 

 

 

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